スペインと南米で話されているスペイン語の違いについて

現在、所用で南米ペルーに短期滞在しています。

 

私自身スペイン語はスペインで主に学んだため、どうしてもスペインの発音や言い回しに慣れているのですが、ここペルーは同じスペイン語でもアクセント、使用する単語、からスピードまでスペインのスペイン語とはかなり異なります。

 

今回のタイトル通り、よくスペインと南米で話されるスペイン語の違いについて質問される方がいますが、南米といっても、例えばコロンビア・アルゼンチン・ペルーでは話されているアクセントから単語まで全く異なったスペイン語が話されています。従い、「南米」と一括りにすることは本当はできないのです。

 

スペインのスペイン語といっても、アンダルシアのスペイン語とマドリードのスペイン語は発音等かなり違うため、今回は一般論としてのスペインのスペイン語とペルーのスペイン語の違いについてお話しします。

 

1)話し方のスピード

明らかにスペインのスペイン語の方が話し方が早いです。私も初めてペルーに来た際、「あれ?私のためにゆっくり話してくれているのかな?」と思い質問したら、そんなことはなく普通の話し方がスローだったという経験があるのですが、話し方のスピードからいくと、スペインでスペイン語を学んだ方が、一般的にいう南米のスペイン語を聞いたときに簡単に聞こえるかと思います。

 

2)活用形の違い

スペイン語学習者であれば必ず知っている主語の一つVosotros(あなたたち)。スペインではVosotrosとUstedes(あなたたちの丁寧な言い方)を使い分けますが、ペルーではVosotrosは全く使いません。私はどうしても普段の慣れからVosotrosの活用形を使ってしまうのですが、こちらで使用すると「あなた、明らかにペルーでスペイン語を学んだ人ではないわよね?」というレッテルを即座に貼られます(笑)。ペルーでは使用しませんが、アルゼンチンやウルグアイではTú(あなた)の代わりにVosという単語を使用、活用も異なります。このように、国によって使う活用が微妙に変化します。

 

3)発音の違い

スペインではzやciは英語の「th」のように舌を歯と歯の間に挟んで発音しますが、ペルーではzやciはsの発音と同じです。発音のバリエーションが少ないことを考えると、圧倒的にペルーのスペイン語の方がスペインのスペイン語より簡単だと思います。

 

4)単語の違い

これはあげるとキリがないのですが、私が初めてペルーを訪れた時は、すでにある程度のスペイン語を知っていたにも関わらず、通訳してもらう必要がありました。例えば、

 

*それは汚いわよ。触らないで。

ペルーのスペイン語: Está cochino. No lo toques.

スペインのスペイン語: Está sucio. No lo toques.

 

*ピーナッツ食べる?

ペルーのスペイン語: Quieres comer maní?

スペインのスペイン語: Quieres comer cacahuete?

 

*車を運転する。

ペルーのスペイン語:Voy a manejar carro.

スペインのスペイン語: Voy a conducir coche.

どうでしょう。これはほんの一例ですが、キリがないほどの違いがあります。

 

スペイン本国を入れて、21の国や地域がスペイン語を公用語としています。

それぞれの国で独特の言い回しやアクセント、活用形がありますが、特にDELEを受験しようとしている学生にとっては、いろいろな国のスペイン語に触れ、表現のバリエーションを増やすことが必要かと思います。